シャツの店

皆さま、自粛期間をいかがお過ごしでしょうか?

当店は臨時休業中で、工房ではスタッフも休みにしており、ご注文頂いていた分がなんとかこなせるようにと、夫婦二人でこもって作業をしています。

そんな時に思い出したのがコレ、「シャツの店」というドラマです。

私がシャツの道に入った17年くらいまえに、叔母に言われて知ったテレビドラマです。

昭和のシャツ全盛期の頃の話だとは思いますが、実は私もまだ見ていないので、この巣篭もりの間に見てみようかなぁと。

私が最初に入った職場にはシャツ一筋○十年という職人さんが沢山いたので、このドラマに近い話は多少聞いて来ましたし、そういった昭和の職人的なものへの、一種の憧れみたいなものもありました。

この頃の職人さんは、今はもう70代以上で、80代の方も多いです。60代はほぼいませんし、60代ならまだまだ若手、という世界です笑。

使っている道具も独特で、目打ちではなく畳針を使っていたり、ミシンにつかう道具もマニアックで、あまり手に入らなかったりします。

職人は夫婦で家庭内工業的なところが多く、
ミシンを踏むことを「上をやる」。
アイロンをかけたりすることを「下をやる」。
と読んでいたようです。

家庭ごとに、裁断屋さん、縫い屋さん、穴かがり屋さん、仕上げ屋さん、と別れていて、車でさっと行ける範囲内でこの4業種がまとまっていて、地域で仕事を回していたようです。
(縫い屋さんが1番多く、2.3件。穴屋と仕上げ屋は数も必要なため、他の地域も兼ねていたようです)

当時の縫製屋さんの人曰く、夫婦二人で朝から夜中まで作業し(これはいまでも変わってませんね笑)、1日30枚を縫っていたとか🤔。

いくら、今よりも平面なシャツで、同じサイズの物が30枚だったとしても、1日でそんなに多く縫えるようになるには、よほどの集中力と技術が必要で、今の日本でそこまで出来る職人が何人いるのかなぁと。少なくとも私の世代には一人もいません。というか、そもそも職人がいません涙…

ちなみにお客様からの発注も独特で、当時は1ダースごとが主流。半ダースは白で、残り半ダースは色柄、みたいな感じです。

この量がきたら、すぐにうちはパンクで納期も1年とかになっちゃいますね😂

それを、昔の職人さんは2週間とかで対応していたのですから、凄いとしか言いようがありません。

そして、伝統的職人的な考え方。これが最高です。

シャツの店、予告編でちらっと見たのですが、なかなか渋く、言葉も刺さります😭

是非皆さま、家で楽しく過ごして頂き、シャツの外見だけではなく、今の形になるまでの過程を知りながら、シャツに対して色々な想いを抱いていただけますと幸いです☺️

※買おうと思っているのですが、価格がそれなりにするので迷ってます😂
https://www.amazon.co.jp/シャツの店-全集-DVD-鶴田浩二/dp/B00006S25L

こちら、見つけた予告編です。
https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009010328_00000