※動画が載せられず…FBやインスタグラムでご覧下さい&長文です😅
ネクタイ。
当店では、ネクタイの取り扱いもございます。
もちろんネクタイにも、こだわりを持っており、MINAMI SHIRTSらしさを出すために、毎日、様々な事を考えております。
もちろん、シャツに対してもです!笑
当店がシャツ以外も扱う理由としましては、一言でいえば、好きなモノへの追求です。
今回のネクタイ、場所は京都、西陣織です。
西陣織という名前は聞いたことがある方も多いと思います。
少し西陣織のネクタイの説明をさせて頂きますと、
西陣織はヨコ糸が2本でおっていきます。
そのため、細いシルクで織っていても少し厚みのある生地になります。
また、2本の糸でおることで、表面と裏面で、違う柄にする事も可能です。
ネクタイ用では通常は100cm、1mで4本のネクタイが作れます。
織り方が変われば作れる本数も変わりますが、通常の三つ折りで4本です。
ここの機屋さんでは、シャトル織りでも1日に織機1台で12〜13m、ネクタイ40〜50本分しか織ることが出来ません。
フレスコ用はまた別の織機です。
京都ではフレスコを織るところは少なく、生地幅の少し細い50cm幅くらいになります。
といった具合ですが、この限りではありませんし、この機屋さんだけの特徴でもあるかも知れません。
そんな中、1台だけ別の場所に、なんとも趣のある織り機が…
動画だけでは、この趣はなかなか伝わらないのが悔しいのですが、手織りの織機です。
なんと、この手織りのネクタイは1日でネクタイ2本分しか織ることが出来ません…
それは何故か?
下記の説明を見て頂いたあとに、動画を見て頂けるとわかると思いますが、人の手でアナログに何かを作るという事は、とても時間のかかる事ですね。
作り方としましては、手織りの場合、右手と左手、そして右足も使います。
まずは、右足のペダルを踏んでシャトルが通る道を作ります。
次に、上からぶら下がっていますレバーを右手で引き、シャトルを反対側に移動させます。それをレバーを元に戻しながらシャトルを受け止めます。(サッカーのトラップのイメージです笑)
シャトルを受け止めるという事は、1本糸を通し終わるという事。
まだ1列です。
通った糸は、まだ列には綺麗にならんでいません。そこを左手で、通った糸を綺麗に揃えるように、トンっと手前に叩きます。
そして、また右足でペダルを踏み、シャトルの帰る道を開きます。
上にあるレバーを右手で引いてシャトルを渡して受け止め、左手で揃える。これの繰り返しです。
言葉での説明も難しいですが、やってみると
難しいどころの話ではありません。
1cm織り上げるのに何時間かかるのか…という世界です。
実際に織っているところも見させて頂いたのですが、その場に響き渡る音、リズム、動き。ゾワゾワっと鳥肌が立ってしまいました。
こういった事が感動を伝え、そのものに愛着を持ってもらうという事になるのかなぁと、こういう現場に出会うたびに私は感じております。
少なくとも私は今回、この織機で織った生地で仕立てて頂いたネクタイを使いたいと思ってしまいました☺️
ただ、アナログだから良いと言うわけではありません。
その技術を応用して沢山の人のに届ける技術も必要です。ここでいう応用というのが、通常のシャトル織り機でのネクタイです。
応用したもので、たくさんの人に知ってもらい、その上で感動を味わってもらいたい、そしてさらに応用で、今まで作れなかった新しい物をつくる。この循環が大切です。
温故知新。
古きを温めて新しきを知る。
ふるきをたずねて、あたらしきをしる。
素晴らしい言葉です。
シャツ作りも同じです。
きっとスーツや靴、その他ものづくりは同じだと思っております。
ハンドメイドとは何か。
手で縫う事が素晴らしいとか、ミシンを使うと効率が良いとかそういう話ではありません。
逆を言うと、ミシンを上手く使えるようになるには、ものすごく膨大な時間がかかります。その技術で作るものがマシンメイドなのです。
ハンドメイドとマシンメイド。
使うものが違う、出来上がるものが違う。
ただ、そこに物の良し悪しはありません。
価格によっての上下関係もありません。
さらにいうと、作り手とそのモノを売る人にも上下はありません。
作り手が伝えるのが苦手であれば、その気持ちを、鏡になって伝えられる人がいれば良いと思っております。
鏡になって伝えられる人、沢山の知識と熱量が無いと出来ない、素晴らしい職人仕事です。
私は、一つ一つの仕事に、熱意を持っている人を応援しています!って、これなんの話でしたっけ?笑
まずは、ネクタイの完成を楽しみにしていてください!